映画作品情報
- 公開年:2006年(東宝)
- 主演:木村拓哉(三村新之丞 役)
- 監督:山田洋次(『男はつらいよ』シリーズ)
- 原作:藤沢周平『盲目剣谺返し』
- ヒロイン:檀れい(三村加世 役)
- 主題歌:一青窈「つないで手」
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🎬 あらすじ
時は江戸中期。毒見役を務める下級武士・**三村新之丞(木村拓哉)**は、美しい妻・加世と慎ましくも穏やかな生活を送っていた。しかしある日、毒見役の仕事で失明する不運に見舞われる。
目が見えなくなり、武士としての役目を失った新之丞。さらには、家計を支えるために妻が取った「ある行動」が、新之丞の心に深い傷を残す…。
絶望の淵に立たされた男が、失われた“武士の一分(いちぶん)=誇り”を取り戻すため、盲目のまま仇討ちに挑む。
🔥 話題・裏話・エピソード
🎯 木村拓哉、時代劇初主演での覚悟
『武士の一分』は、木村拓哉にとって初の本格時代劇映画主演作。ジャニーズ事務所所属の俳優が山田洋次作品に出演するのはこれが初で、映画界でも非常に話題になりました。
山田監督は当初、「アイドルに時代劇は無理」と乗り気ではなかったそうですが、木村さんが自ら名乗り出て、「目で演じる必要がない役ならば挑戦できる」と説得。結果、山田監督から「想像以上の演技」と高く評価されました。
💬 キムタク=現代的というイメージの覆し
木村さんが演じたのは、目が見えず、感情も内に秘める朴訥な武士。そのため、「あのキムタクがここまで地味で静かな演技をするのか」と、多くの映画ファンを驚かせ、見事に俳優としての新境地を開拓しました。
👘 ファッション/美術のこだわり
- 新之丞の衣装は武士の身分にふさわしい地味な羽織と袴。
- 失明後は細かい所作の一つ一つが変化し、“音の反応”で生活する演技も衣装の演出とマッチ。
また、檀れい演じる妻・加世の着物の柄や着こなしが季節ごとに変わり、彼女の感情の揺れをさりげなく表現しています。
🏆 映画賞ラッシュ
- 第30回日本アカデミー賞 優秀主演男優賞(木村拓哉)
- 優秀監督賞(山田洋次)
- 優秀助演女優賞(檀れい)
- 観客動員:200万人突破(興行収入 41億円超)
🎥 裏話:実はアドリブも⁉
劇中での木村さんの一部のセリフは、台本通りではなく撮影中に自然に出た言葉だったと山田監督が後に語っています。
例:失明後に庭で倒れたときの台詞「…やはり、見えぬのはつらい…」
→ 実際に木村さんが“見えない”状況での演技にのめり込む中から生まれた言葉。
📝 こんな人にオススメ!
ターゲット層 | なぜ観るべきか |
---|---|
木村拓哉ファン | 現代劇とは全く違う、“静の演技”が見られる |
時代劇ファン | 藤沢周平原作×山田洋次監督の黄金タッグ |
映画初心者 | ヒューマンドラマとして純粋に感動できる作品 |
🎬 まとめ
『武士の一分』は、「強いだけじゃない」「かっこいいだけじゃない」木村拓哉の本質的な魅力が光る一本です。
目が見えないからこそ、心の目で「愛」「誇り」「赦し」を見つめるこの映画は、静かに、そして力強く心を打ちます。
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